不健康なダイエット？単に減量するべからず！

ダイエットとは、痩せること・・・って思っておられる方、多いのではないでしょうか。

健康診断で要精密検査と診断され、検査を受けた結果、お医者様から「健康のため痩せた方がいいですね」と言われ、「よーし今日からダイエットするぞ！」とご家族に宣言、あるいは異性にモテたいので「痩せてカッコよくなろう」と奮起・・・こんな感じで、１度はダイエットや肉体改造を試みた経験がある方は多いのではないでしょうか。

でも、ちょっと待ってください！正しいダイエットってご存知ですか？・・・「体重へらすことだろう！？」と思われているあなた、それは違います！ 

目次

１．ダイエットは、体重だけを評価してはいけない！

２．体重とは何なのか？

３．BMIでダイエットを評価するのは適切か？

まとめ

１．ダイエットは、体重だけを評価してはいけない！

私はフィットネスクラブを経営していますが、ご来店されるお客様には、ダイエットはもちろん、ボディメイク、競技パフォーマンス向上、姿勢改善など様々なニーズの方がいらっしゃいます。しかし、ダイエットやボディメイクを目的に来られるお客様が圧倒的に多く、そのほとんどの方が「体重を〇〇㎏にする」というゴールを掲げる場合が非常に多いのです。

計量のある競技の選手は、最後になると水抜きをするのをご存じでしょうか？
リミット体重に達するために食事だけではなく、水分を抜いて計量に挑むのです。もちろん計量さえパスすれば、水や食事を摂取するので、すぐに体重は増えます。

皆さんは計量のためにダイエットするのではありませんよね。皆さんが見るべきものは、身体そのものです。

２．体重とは何なのか？

体重とは、脂肪だけでなく、骨や筋肉、そしてほとんどが水分なのです。

その水分率は、男性で身体の約55～65％、女性で約45～60％となります。その為、短期間でのダイエットは、水分量が落ちているだけのケースが非常に多いのが現実です。

ですから、除脂肪量※（すなわち身体の脂肪以外の事で、水分、骨格筋、内臓、骨など）を減量するのは健康的なダイエットとは言えません。

※　体重＝除脂肪量＋脂肪量　であり、除脂肪量の一方は、脂肪量（身体の脂肪の量）となる

例：ここで、Ａさんのダイエット結果をみてみましょう。

★ダイエットを始める前の状態

身長180㎝、体重84㎏、体脂肪率20％、除脂肪量67.2㎏、脂肪量16.4㎏

★ダイエットに取り組んだ後の状態

パターン1：体重77㎏、体脂肪率18％、除脂肪量63.14㎏、脂肪量13.86㎏

パターン2：体重79㎏、体脂肪率15％、除脂肪量67.15㎏、脂肪量11.85㎏

さて、あなたは、どちらのダイエットが成功したと評価するでしょうか？

パターン１
めでたく、7㎏の減量に成功しています。
しかし、体脂肪率は2％しか落ちていません。

パターン2
残念ながら、体重は5㎏の減量に終わりました。
しかし、体脂肪率は5％落ちているため、減量したほとんどが脂肪量で落とすことができました。

パターン１と２では、圧倒的にダイエット後のリバウンドの可能性や見た目に差がでます。さらに、パターン２のように、脂肪量を落として除脂肪量を残すことで、代謝が落ちずにメリハリボディを手に入れることができるのです。

３．BMIでダイエットを評価するのは適切か？

BMIとは、体格指数で、体重で肥満を表す値で、よく肥満の目安に用いられます。
では、BMIなら適切なダイエット評価ができるのでしょうか？

BMI（体格指数）の求め方

BMI（体格指数）　＝　体重（㎏）　÷　身長（ｍ）²

18.5以下・・・低体重
18.5～25・・・標準体重
25以上　・・・肥満

実はそうとは言い切れません。

ここでも理解しておいてほしいのは、BMI（体格指数）とは「あくまで目安」でしかないということです。

体格指数の計算方法では、体重と身長のみでしか評価していません。
これではパワー競技のアスリートは、ほとんど肥満体質に評価されてしまします。

例：　同じ体格でBMIも同じ、BさんとCさんがいたとします。

二人とも、　身長180㎝、　体重90㎏、　BMI（体格指数）27.８　です。
しかし、二人の身体の状態を調べてみると、まったく異なる場合があります。

Bさん
体脂肪率３０％、除脂肪量６３㎏、脂肪量２７㎏

Cさん
体脂肪率１０％、除脂肪量８１㎏、脂肪量９㎏

体格指数だけで評価すると同じ肥満体質に分類されますが、体脂肪率の情報が入るだけで圧倒的な差がうまれ、Cさんの方が優れた状態にあると言えます。

※体脂肪率平均は男性で約２２～２５％以上で、女性で３５～３７％以上で軽度肥満の評価になる。

まとめ

いかがだったでしょうか？ダイエットに挑戦する際は、単に体重の減量にこだわらずに「どう体重が減ったのか」「体重の何が減ったのか」がとても重要なのです。それさえわかっていれば、もう無理な我慢するようなダイエットを行うこともなく、食事もしっかり摂り、ダイエット後もリバウンドとは無縁になるでしょう。

また、基礎代謝をあげることも重要で、そのためには筋力増強すること（筋トレなど）が大変効果的です。

いずれにしても健康的なダイエットには、当たり前のことですが、定期的な運動と食事コントロールです。

次回は、それに役立つ栄養や食事方法の考え方について、ご紹介したいと思います。

この記事を書いた人

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