糖質制限ダイエットは、近年はやっているダイエット方法の一つで、女性のみならず男性の方でも「取り組んでいるよ」とよく耳にします。
食事を工夫して気軽に取り組め、効果もあるダイエット方法ですが、よくよく聞いてみると「えっ!大丈夫?」というような、間違った方法で行っている場合をよく見かけます。
せっかく取り組むならば、糖質そのもの、制限方法や落とし穴、関連する血糖値について正しく理解して、健康的なダイエットにつなげていきましょう。
1.「糖質」とは?
2.糖質の種類よって吸収時間が違う
(1)糖質の吸収
(2)糖質の種類
3.糖質制限ダイエットの実際
(1)手放しで推奨できる?
(2)ダイエットで糖質制限を行う理由と【落とし穴】
4.太る原因の一つ、血糖値について知る
(1)血糖値の上昇
(2)血糖値をコントロールするポイント
まとめ
糖質とは、身体の主要なエネルギー源です。
摂取すると消化・吸収され、血液といっしょに全身をめぐり、体の中で1gあたり4kcalのエネルギーになります。
特に脳では、血液中の糖質(ブドウ糖)が主なエネルギー源のため、不足すると低血糖症状で倦怠感を起こすことがあります。
また糖質は、同じエネルギー源でも脂質やたんぱく質と比べると、すばやくエネルギーとして使えるため、活動量の多いスポーツ選手はかなり重要な栄養素なのです。
糖質の体内での存在量は意外に少なく、血液中のブドウ糖のほか、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして少量を貯蔵しているだけです。すぐ使う量以上に食べた糖質は、体の中で脂肪となって蓄積されます。
エネルギーの優位的な活用の割合は フルマラソンやトライアスロンなどの長時間の運動には主に脂質が使われますが、400mや800mの中距離走のように短時間の運動には糖質からのエネルギーが優位的に使われます。
口から入れた糖は、最終的に最小単位の単糖類まで分解されて小腸から吸収されます。
言い換えれば、単糖類まで分解されなければ吸収されないということです。
したがって、食べた糖質の種類によって吸収時間が違うということを知っておきましょう。
糖質は、単糖類、二糖類、多糖類といった種類に分けられ、それぞれ吸収される時間が異なります。
グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース
最小単位の単糖類は、これ以上分解されることはないので、数分で吸収されます。
マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)、ガラクトース(乳糖)
単糖類が2つついている構造になっていて、簡単に単糖類に分解できます。
でんぷん、グリコーゲンなど
沢山の単糖類が連なっている構造のため、単糖類に分解されるのに時間がかかり、その分吸収も穏やかになります。
【ちょっと余談】
皆さんの中には、牛乳や乳製品などを摂取した後に、腹痛や下痢などの症状を起こしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは乳糖不耐症と言って、乳製品を摂取することによって、下痢などの消化器系の症状を引き起こす状態のことです。
乳糖不耐症の場合は、乳糖に対して身体が適応しきれずに、何かしらの症状が出ることを示しています。
糖質の一種である「乳糖」は、母乳や牛乳を始めとしたあらゆるタイプの乳に多く含まれていますが、この乳糖をうまく消化するためには、小腸中に存在する「乳糖分解酵素」が非常に重要な役割を果たしています。
乳糖不耐症は、この乳糖分解酵素がうまく働かないことが原因と言われています。
このような欠点から、私はお客様に対して、乳製品を積極的に勧めていません。
近年のダイエットでは、糖質はカットすべき物として認識されています。
私の周りでも、糖質制限で痩せた経験がある方も多くいらっしゃいます。
では、糖質制限は果たして手放しで推奨して良いのでしょうか?
まず知っていてほしいことは、先ほどもお伝えしたように、糖質は大切な栄養素だと言うことです。
確かに、糖質制限ダイエットの減量効果は、糖尿病の患者など様々な症例から実証されています。しかし、これらは治療目的で行われているため、健常者が知識なく実施することは身体へのダメージを考えるとお勧めできません。
そのため、医師や管理栄養士のサポートなしに自己流のやり方や、パーソナルトレーナーの実体験のみの安易な指導で実施すべきではないと、私は考えています。
とは言っても、もちろん摂りすぎると肥満や糖尿病、メタボリックシンドローム、動脈硬化などといった生活習慣病の原因となりますので、糖質量が多い人は気を付けましょう。
糖質制限ダイエットは、短期間でかなりの体重が落ちるのは事実。そのため、短期間ダイエットの際に数値や外見など目に見える変化のスピードが速いというのは、実施者からすると魅力的。
【落とし穴】
食事の糖質の割合は、約60%を占められている。そのため、糖質を避けることで摂取カロリーを極端に減らしすぎてしまい、典型的なリバウンドパターンに陥る。
糖質は、主食(米・パン・麺類など)に多く含まれているため、食事の中から主食を避けるだけと考えれば、以外に食品選びが簡単。
【落とし穴】
糖質以外なら、何でも食べたいだけ食べてよいと間違ったとらえ方をして、逆にたんぱく質や脂質を摂りすぎることにより、摂取カロリーオーバーとなってしまう。
ビールや日本酒は糖質が高いが、ウイスキー・ブランデーや焼酎などの蒸留酒なら飲んでも大丈夫。
【落とし穴】
お酒類は、アルコールを含んでおり、アルコールは1gあたり7kcalで、糖質よりカロリーが高い。さらにこのカロリーのことは、エンプティー・カロリーと言って「体に必要な栄養成分はほとんど含まれていないのに、カロリーは高い」、ダイエットにとっても健康にも良くないカロリーである。(お酒の摂取は控えましょう!)
血糖値とは、血液中にどれくらいの糖が含まれているかを示す数値のことです。
私たちは食事を摂取すると血糖値が上昇し、インスリンというホルモンが分泌することで血糖値を正常値に戻します。
このインスリンというホルモンが分泌すると、筋肉や肝臓へ糖を運び、グリコーゲンとして貯蔵されます。
しかし、その貯蔵量は筋肉に約300g、肝臓に約120gほどしか貯蔵できないため、その他の糖は脂肪として身体に蓄えられてしまいます。
そのことが、太ることに繋がります。
では、太る原因となる血糖値をコントロールするためには、どのようにすれば良いのでしょうか。
以下に、簡単にできることを3つご提案します。
商品を購入する際に、栄養成分表示に記載されている糖質の量が少ないものを選ぶ。
同じ飲食物でも、精製度合いによって吸収時間が変わる場合があります。
例えば、米や小麦の場合:
同じ米でも精製された白米とされていない玄米では、玄米の方が吸収速度は遅くなります。小麦でも全粒粉が使われているものを選ぶことで、食物繊維が豊富で血糖値の上昇を抑えてくれます。
糖質の多い食品を後回しにして、食物繊維やたんぱく質、脂質を先に食べることで、糖の吸収は穏やかになります。
例:野菜(食物繊維)→肉・魚(たんぱく質)→糖質の順番
糖質について、理解していただけましたでしょうか。
しっかりと、糖質の種類の選び方や摂取量をコントロールすることで、ダイエット中でも摂取していただいて大丈夫です。
皆さんのダイエットの成功に、少しでもお役に立てれば嬉しく思います。
参考:厚生労働省e-ヘルスネット 炭水化物 / 糖質(たんすいかぶつ / とうしつ)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
株式会社ミリオン・フィットネス
代表取締役 林 界斗
NSCA-CPT : NSCA認定パーソナルトレーナー
NASM-PES : 全米スポーツ医学協会認定パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト
カイロプラクティック整体院 トレーナー
運動特化型デイサービス トレーナー
「健康をテーマに運動を通して一人でも多くの方へ幸福を捧げたい」と思い、ミリオン・フィットネスを創業。お客様をはじめトレーナーへの指導、さらにラジオ番組においても運動指導をおこなうなど、アスリートから一般の方、子供から高齢者まで、幅広いお客様のご期待に添うべく活動している。
主な出演:ABCラジオ「全力投球!!妹尾和夫です。サンデー」、FM守口「疋田哲夫の哲ちゃん”哲学”」
ミリオン・フィットネスは、大阪 肥後橋のリピートが多い 予約貸切制のおしゃれなコンディショニング・パーソナルジムです。
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