コロナ禍における健康維持・運動不足解消のために、「さあ、やるぞ」と意を決し、ジムでトレーニングを始めようとする方も多いのではないでしょうか。
    しかし行ってはみたものの、今一つ楽しくなかったり、金銭面がきついなどの理由で、せっかく入会したジムを解約し、屋外で走ったり、市民プールで泳いだりと試行錯誤して、せっかくのお金と時間をムダにすることもありがちです。

    昨今推進されているリモートワークや外出自粛などによる運動不足、高齢においてはフレイルという筋力低下の問題が話題になるなど、世間では健康に対する意識は高くなっています。

    医療費・介護費の負担も、この先膨らむのは目に見えており、国としては少しでも削減しようと、年金問題ともども様々な取り組みを展開しています。
    それを受け各メディアでは、健康番組や自宅で出来るトレーニング等が、雑誌やネットなどで多く提供されています。

    一方で、みなさんのお住いの近くにも24時間ジムやパーソナルジム等も多く新規開店し、それらの設備を活用した本格トレーニングにも通いやすい環境になりました。

    私がジム通いを始めた40代(20年ほど前)は、パーソナルジムなどは認識なく、あったとしてもスポーツ選手が利用する場所という感じでした。
    当然ながら、24時間ジムのような形態もなっかたと思います。
    したがって、ジム=総合ジムという選択に自ずからなりました。

    現在では、仕事帰りや休憩中、仕事の前にもトレーニングしやすい環境となり、これからトレーニングを始めようとされている方も、ジムの選択に迷われている方もいらっしゃるでしょう。

    しかし選択を間違うと、冒頭でお話したように、結局のところジムを退会したりして、金銭のみならず時間もムダにすることになりかねません。

    そこで、いろんなジムがある中で、どのようにジムを選べばよいのか、私の経験を踏まえてお話したいと思います。

    実は私もフワッとした感じの動機でしたので、長年ジムとの関係は「通っては離れ」で過ごしてきました。
    ちなみに私のジム遍歴は以下の通りです。

    40代【総合ジム利用】
    • 動機:何となく「健康志向でカラダを絞りたい」
         管理職になり金銭的にもゆとりができた
    • 運動:マシン中心、たまにスタジオ利用
         もちろん自己流
         ウエイトもやりたかったが気恥ずかしくて使用せず
    • 所感:最後の方はサウナ通いが楽しくメインに!?
         今思えば、当時は運動しているつもりだったが・・・
    50代【市民体育館利用】
    • 動機:独立後で出費を抑えたかった
         走るのが嫌い、でも何とか運動は続けたい
         市のサービスで発見し、総合ジムから切替え
    • 運動:マシン中心(総合ジムの延長)
    • 所感:やはり利用者層も異なり雰囲気が違う
         モチベーションが低下し、さぼり気味に
         仕事に奔走しだし健康管理は疎かに
    60代【パーソナルジム利用】
    • 動機:仕事もひと段落、人生100年に備えたく運動再開
         どうせやるならカッコよくボディメイクを
         テレビ等でも流行のパーソナルへ
         出来れば安くて良いところは無いか調べる
    • 運動:ファンクショナル、ウエイト等(念願叶う)
    • 所感:ゴルフなどと同様、プロに教わると全然効き方が違う
         こういう運動は中高年こそすべきと思い、今に至る

    目次

    1.運動・ジム通いを習慣化するために
    (1)なりたい自分をイメージする
    (2)危機感も大事

    2.自分に合うジムを事前に調べ複数選択する
    (1)条件面で踏まえておきたいこと
    (2)形態別の特徴を踏まえる

    3.通うジムを最終決定するために
    (1)決定前に選択したジムは必ず見学し体験する
    (2)トレーナーは成功するための最大のカギ

    まとめ

    1.運動・ジム通いを習慣化するために

    運動を始める、そのためにジムに行く、行かずに自分で頑張る・・・人によってその目的や適性などで、やり方も違ってきます。

    「体を鍛えること」と同じくらい「筋トレなどでストレス発散すること」が目的の人もいらっしゃるでしょう。
    ダイエットしたい、筋肥大させたい、カッコよくなりたい、最近固まった筋肉をほぐしたり、腰痛や肩が上がらないなどを改善したい、スポーツパフォーマンスを向上したい・・・目的は人それぞれです。

    しかし、「運動不足だから」「太ってきたから」というような、なんとなくの気持ちで通うと、間違いなくうまく続きません
    このような動機は表面的な気持ちに過ぎず、その背景にある本質的な問題点を何とかしたいと思っているはずです。

    そこで、次のような点を自問自答してみてください。

    (1)なりたい自分をイメージする

    これは、トレーニングを継続し、また効果を高めるために、もっとも大切なことです。
    「なりたい自分をイメージする」ことにより、モチベーションの維持につながります。
    それでは、次の2つを明らかにしてみましょう。

    目的(ターゲット)

    最終的なねらい

    • 最終ゴールに到達した時の、自分自身の体の状態はどう変化しているか
      (体形だけではなく、健康状態なども)
    • その結果、どのような生活(ライフスタイル)に変化しているか
    例えば
    • 有名人ならXXXのような感じになりたい
    • 職場のメンバーから、「そういえば体形や行動が変わった」などと関心を寄せられる(モテている)
      (さらに、そういう結果となっている条件=体重や部位の計測数値も具体的にあればなお良い)

    目標(ゴール)

    ねらいに到達するための、いくつかの中間ゴール(途中の標:しるべ)と、最終的な到達点

    • トレーニング効果はすぐには表れない(2~3カ月必要)ため、2週間ごとなどの小ステップを刻む
    • 数値で明確にしておくのが理想、もしくは、各ゴールに到達した時の状態を言葉で表現しておく
    例えば
    • トレーニング開始1か月後には、ベンチプレスで60Kgを挙上できている
    • 腹筋に力が入っているのが意識できている~無意識でも腹筋がしっかりしている実感がある
    • 顔周りがスッキリしたと人から言われる

    (2)危機感も大事

    人が動くのは、共感し納得した時です。
    しかし、共感とか関係なく、絶対に本気で動くのは「危機感」を感じたときでしょう。
    その意味でトレーニングに関しても、以下の切り口で一度熟考してみてください。
    考え抜けば、そこに決心と覚悟が生まれます。

    • 私はなぜトレーニングをしなければいけないのか
    • 私はトレーニングをしなければどうなるのか

    「やばい」感があると、どうにもこうにも早く何とかしたい衝動にかられます。
    ここまで来れば、動機付けはOKです。

    補足

    人に言うことで、自分を意識する

    自分に甘い方は、職場のメンバーやSNS上で、自分がやることを宣言してみてはいかがでしょう。
    継続するための一手段です。
    言った手前、止めたらカッコ悪い・・・ある意味の危機意識となります。

    2.自分に合うジムを事前に調べて複数選択する

    気持ちが高まってきたら、次は具体的に実行に移していかねばなりません。
    「なりたい自分になる」ために、課題解決策を実行に移す必要があります。
    その選択しとして「ジムへ行く」となった場合、「どのように選ぶか」とうこことです。
    自分で運動するのも良いのですが、ここまで意を決したら、成功のためにもジムを利用すべきです。
    やはり、気分もさらに高まりますし、金銭と時間を使うわけですから「成果を出さねば」と、これも危機感につながります。

    しかし、理想と現実は異なり、理想だが出来る可能性が低いことも多々あります。
    そうならないために、現実をよく見ておく必要があります。
    自分への「さぼりの言い訳」とならないように、出来そうにない壁は、事前に踏まえて下げておくことが重要です。

    (1)条件面で踏まえておきたいこと

    家か職場の近く(駅近)で選ぶ

    遠いとサボりたくなりがちです。
    そのようにならないためにも、家や職場の近くで、物理的に距離が近いところがおススメです。
    また、雨の日などは、出かけるのが意外と億劫になります。
    そのような時でも、精神的な障害にならないような場所が良いでしょう。
    もちろん、それをも超える要素のあるジムが見つかれば、距離の要素は度外視してOKです。

    改めての準備が不要、ウエア等全部レンタルできる(無料が理想)

    自分で、お気に入りのウエアを準備していくことが楽しみな場合もあります。
    しかし仕事で忙しいときなど、別途ジムに行く用意をすることで、意識すべきことが増えたり、あるいは忘れてきたなど、余計なストレスにつながる場合もあります。
    そのような場合でも、気にせず行けるジムが良いでしょう。
    さらに言えば、レンタルすれば洗濯する必要がないのもありがたいのです。

    自分でリズムを作れる、自分のタイミングで通える

    集団のスタジオレッスンなど、ジム側のスケジュールに合わさないといけない場合があります。
    しかし、残業などで突然行けなくなることもあるでしょう。
    また、人の勧めなどで、朝活的に行くと早起きして頑張ってみたものの、自分の生活サイクルに合わないこともあるでしょう。
    そのようなことを回避するために、以下の点を検討ポイントにしてみてはいかがでしょうか。

    • 対応時間が長いジムがオススメ
    • 時間変更にも対応してもらえる(レッスン消化にならない)
    • 生活のリズムとして取り組める

    何はともあれ、無理せず自分のペースで予約が取れるジムがおすすめです。

    (2)形態別の特徴を踏まえる

    ここでは、代表的な3つのタイプのジムの特徴をあげてみます。
    皆さんの目的を踏まえたとき、どのタイプが良いのか、参考になさってください。

    総合スポーツクラブ

    いろいろ楽しめて、友達づくりも

    • ジム設備やプール、サウナなどもが充実、ヨガ・ダンスなどプログラムが多彩で充実している
    • 社交場的要素も多く、友達作りにも向いている(カフェなど併設も)
    • ただし、付加的な要件でもあるので、本来の目的を見失わないようにしたい
    • 利用時間や曜日などによって料金が異なる場合が多いので、利用したい時間が予算等の条件に合うか
    • 時間は自分のペースで利用可能、ただし人気設備は待ち時間が必要な場合もあり、そうなると効率が落ちる
    • 自動引き落としが多く、なんとなく会費だけ惰性で引き落とされている幽霊会員になりやすい

    24時間ジム

    ある程度トレーニング方法を知っている人 ~ 中上級者向きかも

    • 低価格のところも多く、気軽に利用しやすい反面、総合ジム並みにそろわないモノもあり得る
    • 時間は自分のペースで利用可能、ただし人気の器具などは待ち時間がある場合も
    • 目標達成のために、トレーニング方法などを学びたい場合は、オプションでトレーナーについてもらえるところも多い(ただし、トレーナーの質には気を付けたい→後述)
    • 時間を気にせず、夜間などもできる反面、スタッフが不在の時間帯もあり、セキュリティー面もチェック

    パーソナルジム

    結果を求める人、学びたい人
    トレーニングの家庭教師 ~ 実は初心者向き

    • 料金が割高だが、丁寧に個人に合わせてくれるので、効果は高く運動習慣もつく
    • 本気でやるなら、コストパフォーマンスは良い(その結果、むしろ安い
    • 正味のトレーニング時間内容を確認しておく(着替えもトータル時間に含む場合もあり)
    • トレーナーが基本的な用具で色々なやり方を指導してくれる
    • 実は、本気で目的達成をするならば、いろんな道具は必要ない
    • マシン要らずの、家庭でもできる方法も分かる
    • ジムやトレーナーによって特徴があるので、自分の目的に合っているかをチェックする
    • トレーナーの質が命
    • 担当トレーナーは、担任制交代制か、キャリアは十分か
    • 大手スポーツジム勤め、元スポーツ選手、ボディビル大会などの入賞者、医療分野出身など、いろんな肩書きがあるが、選ぶ一つの参考基準とくらいに捉えておく
    • 基本的な知識・技術は持っていると思いがちだが、経験値だけで、体系的な知識を持ち合わせていないトレーナーもいる
    • 最も大切なのは、自分の目標に対して親身になって向き合ってくれるか、相性が合うか
    • レッスンはもちろん、急なキャンセルなども含め、対応が丁寧で信頼できるか(重要)
    • 個人で運営しているところも多い
    • 規約(会員・個人情報保護など)も整っているかなども重要

    3.通うジムを最終決定するために

    事前に調べて、いくつかの候補に絞ったら、決定する前に必ずやっておきたい2点があります。

    • 現場で現物を見て現認する(体験に行く)
    • 目的の成否を握るトレーナーの質をチェックする

    比較検討するために、必ず複数のジムへ行き、スタッフの対応顧客層なども確認しておくことをオススメします。

    (1)決定前に選択したジムは必ず見学し体験する

    費用の無駄遣いにならないように、体験を必ず受けて、ジムタイプの特徴を参考に、自分の目的に叶っているかチェックしましょう。

    • 用具や設備などは、見学に行ったときに必ず体験してみる
    • 出来るだけ、実際に通いたい時間帯で出向く→込み具合や交通利便性、周囲の状況などもわかる
    • また、立地や時間帯によって、利用者の年齢層などが異なったり、雰囲気が異なる
    • 時間帯によっては、混雑具合で大型でも、使いたい設備が使いにくい場合がある
    • 着替えの時間もトレーニング時間に含まれるのか確認しておく
    • 食事指導は、制限ではなく、選択のところがオススメ(必要な栄養はしっかり食べ、無駄なものは避ける)

    価格については、表面上の掲示料金だけで判断せず、実施内容を確認しましょう。
    →安い金額には、それなりの理由があります。
    但し、安くても良い質のトレーニングを提供しているところも沢山あります。
    料金体系が明瞭かもポイントです。
    お客様志向となっているか、見るポイントを以下に記します。

    • 違いが良くわからない、似たようなプランが複数ないか
    • 新プランが出来ては消え、次々と入れ替わってないか
    • 価格改定は、事前告知がされるか(無いまま翌月から値上げされるなど)
    • 古いキャンペーンが残ったままになってないか
    • レンタルやプロテインの強制販売など、追加料金はないか
    • 通い放題といっても、実際に行ける回数で算出してみると、意外と高かったりする

    設備の清潔度スタジオの管理状況もよくチェックしましょう。
    体験に行って、実際に使ったり見てみると、ネット情報だけではわからない、見落としがちなことも発見できます。

    • スタジオの管理は、駐在トレーナーなど誰かが居るのか、それとも入居ビル任せかなどの管理体制(※特に清掃や消毒体制
    • 駐在トレーナーがいない→予約が入っている時だけトレーナーが来るため、担当時間以外は個人の裁量で掃除や換気、除菌が行われている可能性が高い
    • そのような場合は、マニュアル化実施管理はされているか

    とにかくジム選びは、最終的には自己責任です。
    自分が利用した時「苦しくても楽しく、最終的によかったぁ!」とイメージできるジムを選びましょう。

    (2)トレーナーは成功するための最大のカギ

    トレーナーの中には、異業種からの転職、学生の時に1~2年スポーツクラブで働き、その延長でパーソナルトレーナーと名乗っていることもあったり、専門学校や大学で専門分野を勉強して指導にあたっている人など、色々なキャリア・タイプのトレーナーがいます。
    体験で訪問した時に、雑談的に聞いてみると良いでしょう。

    一流のトレーナーと言えるのは、お客様の特性を把握し一人ひとりに合わせたプログラムを提案出来、挫折しそうなとき寄り添ってサポートしてくれてこそ、一流と言えるでしょう。

    上記のような能力が発揮できるか否か、そのベースを確認できるチェックポイント
    • 得意分野は何か、その裏付けとなる指導実績経験キャリアはどうか
    • 体系的な知識、現象と解決策まで論理的に説明できる
      (その意味では、経営コンサルタントと同じ能力が必要)
    • 精神論や、これが良いので頑張りましょうだけでは論外
    • 解剖学生理学的運動バイオメカニクスの視点からもトレーニングを解説できる
    • 資格や入賞は証の一つであってすべてではないが、保有してない場合は疑ってみる
    • 自らの技術維持や、新しい技術の取り込みなど研究熱心

    このような技術的側面と同じくらい重要なのが「コミュニケーション能力」です。
    これは、決してお客様のご機嫌をとるような「話芸」でなく、優しす過ぎず厳しすぎず、モチベーションを維持向上させる技術です。
    会社的に言えば、まさしく「良きリーダーシップが発揮できているか」ということになるでしょう。

    • お客様の目的達成に合わせたトレーニング方法を徹底できる(でも、押し付けがない)
    • 常にモチベーションを高めてくれる
    • 適宜身体の変化を教えてくれる
    • プライベートには踏み込み過ぎない
    • 必要以上にフレンドリーになり過ぎない
    • 相手に合わせた話し方や指導ができる

    まとめ

    以上、私の経験と反省から、ジム選びに必要な視点をお話してきました。
    仕事も勉強も「段取り八分」、準備で結果は決まります
    事前に見るべきポイントを押さえておけば、効率的に比較検討ができます。
    しかし、忙しいと意外とスキップしがちなのが「複数の比較」です。
    これもスキップせずに、ぜひ複数候補の体験やカウンセリングを受けてください。
    特に、初心者の方にはオススメします。
    そして体感することで、各ジムの違いはもっと分かります。
    あなたにとっての本物」を選択し、楽しいジムライフをお送りください。

    この記事を書いた人

    丸林 稔

    株式会社ミリオン・フィットネス
    取締役

    コンサル会社を経営する傍ら、自身が60歳を迎えたのを機会にトレーニングに励んだ。筋トレは、今後の社会において高齢者に必須と身をもって感じ、World Trainers Academy (代表の林の前職)でパーソナルトレーナー資格(NSCA)について林から学んだ。その後、林の理念に共感し事業を支援している。

    ミリオン・フィットネスは、大阪 肥後橋のリピートが多い 予約貸切制のおしゃれなコンディショニング・パーソナルジムです。

    ダイエット・ボディーメイク・姿勢矯正はもちろんのこと、肩こり・腰痛・膝痛・ストレス・疲れやすい・健診数値などの改善を、トレーニング & リカバリーケア & ニュートリション の3点からサポートいたします。

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