筋肉痛は、誰でも一度は経験したことがあるでしょう。
    運動不足だったり、普段使っていない筋肉を使ったときなどは、翌日とかしばらく経ってからやってきます。

    現在、運動会シーズンですが、親子競争や保護者リレーなどに張り切って参加したものの、足が絡んで転んだり、その挙句、休み明けから筋肉痛で通勤や仕事が苦痛になったりすることもあるのではないでしょうか。

    でも、筋肉痛で体が痛くなるのはなぜでしょうか?
    体にどのようなことが起こっているのか、詳しくお話しましょう。

    目次

    1.筋肉痛の正体

    2.体の適応性
    (1)翌日に痛くなる理由
    (2)修復する働き

    3.対処と緩和
    (1)起こりやすいケース
    (2)痛みの緩和

    まとめ

    1.筋肉痛の正体

    人間は日頃から、身心に様々なストレスを受けており、筋肉痛もそのストレスに対する反応の一つと言えます。
    激しいスポーツやトレーニングで普通の生活ではかからない負荷がかかり、筋肉の繊維に微細な傷がつき、それが翌日以降に動かしにくさや痛みとして現れます。

    実は筋肉痛については、現在も完全に解明されていません。
    しかし、以下の2種類があることは分かっています。

    即発性筋痛

    短距離走や重量上げのスポーツ選手に多く、激しい動きで筋肉に負荷がかかると痛みが発生する。
    使用した筋肉に疲労物質が蓄積し、血流が不足することで発症すると考えられている。

    遅発性筋痛

    一般的に経験する筋肉痛。
    トレーニングが終わった数時間後から翌日~翌々日というように、時間を置いて起こる痛み。
    慣れないトレーニングを行ったときや、普段トレーニングをしない人が急に体を動かしたとき、筋肉を使いすぎたときなどに顕著に現れる。

    2.体の適応性

    トレーニングした翌日に筋肉痛があると、しっかりとトレーニングできたことが実感できますが、この一般的に起こる「遅発性筋痛」について、掘り下げてお話しましょう。

    (1)翌日に痛くなる理由

    痛くなる箇所である筋肉は、筋繊維という細かな繊維で出来ています。
    筋肉痛は、この筋繊維に傷が出来ることですが、この筋線維そのものには痛みを感じる神経はありません
    負荷によって起こった炎症が広がり、痛みを感じることができる筋膜に発痛物質が届いて、初めて痛いと感じるようになります。
    この炎症が広がりや筋膜まで発痛物質が届くまでの過程が、痛みを感じるまで時間がかかる「遅発性」の仕組みと考えられています。

    ※発痛物質:傷ついた細胞や神経線維、動員されたリンパ球や血小板などから放出される物質。
    ブラジキニン・ヒスタミン・アセチルコリン・セロトニン・カリウム・水素イオン・プロスタグランジンE・サブスタンスP・サイトカイン・一酸化窒素など様々な物質の総称。

    (2)修復する働き

    例えば、怪我をして出血しても、血が固まって傷口を修復してくれますが、筋肉にもそのような自然な働きがあります。
    筋肉に負荷がかかって筋繊維がダメージを受けると、それを修復しようと「超回復」という機能が働きます。
    体が受けたダメージを覚えていて、次のダメージに備え、筋繊維を元の状態より太く強化してくれるのです。

    筋繊維にある程度の負荷がかかっていれば、筋肉痛が有る無しに関わらず、超回復は起きています
    一気に回復するのではなく、24時間~72時間かけて、ゆっくり回復していきます。
    筋肉痛になった部位は、できるだけ負荷をかけない方が、体も回復に専念できます。
    この考え方をトレーニングに活かしたのがスプリットルーティンという方法で、鍛える部位を日によって分けることで、回復部位を休ませることができるため効果的です。
    トレーニングは、筋肉を鍛えるだけではなく、休養(リカバリー)と栄養もしっかり摂り、回復に努めることもセットで実施しましょう。

    3.対処と緩和

    出来れば筋肉痛は避けたいものですが・・・さて、どうすればよいのでしょうか。

    (1)起こりやすいケース

    日常生活では、最大筋力を発揮する動きは少ないので、筋肉痛になることはそれほどありません。
    しかし、筋力トレーニングやスポーツとなると、そうは言っておれません。
    筋力トレーニングで筋肉痛が起こりやすいケースは、伸張性筋収縮の時、すなわち筋肉が伸ばされながら使われるケースです。
    例えば、スクワットのしゃがむ動きや、ベンチプレスでバーベルを下げる動きがこれに該当します。
    しかし、筋肉を鍛えるトレーニングでは、この動作は必要不可欠です。

    それでは、トレーニングで筋肉痛を出来るだけ抑えるためにはどうするべきか。
    それは、ウォーミングアップをして、いきなり強度を上げず徐々に負荷を上げていくことにつきます。
    スポーツにおいても同様で、ウォーミングアップで体を温めてから実施することが、激しい筋肉痛の予防につながります。

    (2)痛みの緩和

    先に述べた通り、ウォーミングアップや強度に気をつけていても、思わず頑張ってしまう時もあるでしょう。
    そして筋肉痛になってしまった・・・そんな時、早く緩和させるにはどうすればよいのでしょうか。

    ポイントは、血流を良くすることです。

    例えば、ストレッチやマッサージは効果的で、血流を良くすることで疲労物質が流れ、回復が早くなります。
    他にも、38度~39度のぬるめのお風呂にゆっくり浸かることで血管が拡張し副交感神経が働き、全身をリラックスさせることにより、回復を早くすることが出来ます。
    また、安静にするだけでなく、軽く体を動かすことでも筋肉痛を和らげることができます。
    したがって、ラジオ体操や軽めのウォーキングも筋肉が動いてほぐれ、血流が良くなるので効果的です。

    しかし、激しい筋肉痛のときは動かすのもつらいので、運動後と寝る前にストレッチを行い、動かした部分をしっかりと伸ばすと良いでしょう。

    まとめ

    体は使わない部分はドンドン衰えていくので、トレーニングで衰えに歯止めをかけることが大切です。
    筋肉痛がないとトレーニングが体に効いているのか、実感しにくく心配になるかもしれませんがご安心ください。
    筋肉痛が無くても筋肉に変化は起こっています。

    一方、筋肉痛が嫌でトレーニングを控える方もおられるかもしれませんが、普段から体を動かしたり、伸ばしたりしていれば、筋肉痛の予防や軽減に繋がります。
    何歳になっても、トレーニングは細胞の老化を抑制する効果があります。
    ぜひ筋肉痛とうまくつき合いながらトレーニングに取り組んでください。

    この記事を書いた人

    株式会社ミリオン・フィットネス  
    トレーナー 那須 陸哉

    NSCA-CPT : NSCA認定パーソナルトレーナー
    NASM-PES : 全米スポーツ医学協会認定パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト

    代表の林が講師をしていたWorld trainers academyで林に師事し当業界に入った。自宅でも常に自己研鑽に励み、トレーニングや健康に関する学習はもちろんのこと、お客様にお勧めするトレーニングやストレッチは、時間があれば常に自身で試し、お客様の生活の質向上や健康的な生活へ導く準備に余念がない。また、USJでの前職経験があり、お客様に楽しんでいただく精神はトレーナー随一と評判が高い。将来が有望な若手である。

    ミリオン・フィットネスは、大阪 肥後橋のリピートが多い 予約貸切制のおしゃれなコンディショニング・パーソナルジムです。

    ダイエット・ボディーメイク・姿勢矯正はもちろんのこと、肩こり・腰痛・膝痛・ストレス・疲れやすい・健診数値などの改善を、トレーニング & リカバリーケア & ニュートリション の3点からサポートいたします。

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