普段立ち上がろうとした時、膝がポキポキと鳴る方もいらっしゃるのではないでしょうか。
    痛みはありませんが、「私の膝は大丈夫なのか?」と不安になると思います。
    他には、首を傾けたり、指を曲げてポキポキと鳴らして、気分をスッキリさせている方もいらっしゃるでしょう。

    ところで、なぜ関節を動かしただけで音が鳴るのか、体に影響はあるのか、気になりませんか?
    その理由について、関節の仕組みから詳しくお話していきましょう。

    目次

    1.関節の構造

    2.関節が鳴る仕組み

    3.音が鳴っても体に影響はないか?
    (1)指を鳴らし過ぎると太くなる
    (2)首を鳴らしすぎるのは良くない
    (3)膝に痛みを伴う場合

    まとめ

    1.関節の構造

    関節は、骨が2つ又はそれ以上組み合わさった部分のことで、全身に約260箇所存在し体を構成しています。
    その関節は、大きく分けると2種類あります。

    • 不動関節:頭や骨盤のほとんど動かない関節
    • 可動関節:腕や足などの動かせる関節

    音が鳴るの関節は、後者の動く「可動関節」になります。

    関節部分を詳しく見ると、骨同士が強力なバンド(靭帯)で繋がっており、やや隙間(関節腔)があることで骨同士がぶつからずに、あらゆる方向へ動くことができます。

    隙間をつくる骨の先端部分は、クッション(軟骨)がついており、潤滑油(滑液)が隙間を満たし、スムーズで滑らかな動きを助けています。
    その関節全体を、袋のような膜(関節包)で覆うことで安定させてます。

    2.関節が鳴る仕組み

    冒頭でもお話ししましたが、立ち上がろうとした時、膝がポキポキと鳴るという方も多くいらっしゃるでしょう。
    痛みはないものの私の膝は大丈夫か、骨同士がぶつかって鳴っているのでは・・・と思われている方が多いようです。
    しかし実際はそうではなく、原因は関節の構造にあり、骨同士の隙間に潜んでいるのです。

    先述で、骨の間には潤滑油(滑液)が入っているとお話ししました。
    膝が伸びると、関節内の圧力が急速に変化し、その勢いから隙間で滑液が移動し気泡が発生します。
    その気泡が潰れて弾け、軟骨を刺激した時に音が鳴るのであって、これが音の正体なのです。
    この原理を身近な現象で例えると、ワインのコルクや、瓶の蓋を開けたときにポンッと音が鳴るのと同じです。
    決して、骨同士の接触音ではありませんのでご安心ください。

    膝だけではなく、首を横へ傾けると音が鳴るときがありますが、他の部分でも同じ仕組みです。
    姿勢が悪くなっている場合や、長時間前かがみの姿勢を続けた後など、固まっている状態から勢いよく体を動かすと鳴りやすくなります。
    また体が固まると関節が詰まってくるため、その状態で動いたときに鳴りやすくなると考えられます。

    自然発生的にではなく、自分で指や首を鳴らしたり、整体院やカイロプラクティックでボキボキと鳴らしてもらうなど、意図的に鳴らすこともできます。
    その時はスッキリ感は得られるものの、体への影響はどうなのか・・・気になる方も多いのではないでしょうか。

    3.音が鳴っても体に影響はないか?

    結論としては、痛みがなければ問題ありません
    しかし、状況によって及ぼす影響は異なるため、代表的な指、首、膝の3箇所についてそれぞれお話しましょう。

    (1)指を鳴らしすぎると太くなる

    普段から指を鳴らす癖がある場合、心理的な要因が考えられます。
    貧乏ゆすりと同じ効果で、指を鳴らした音や振動で無意識のうちに満足感を満たしています。

    しかし、鳴らし過ぎると指が太くなる可能性が高いです。
    なぜならば、関節内で気泡が弾けた衝撃で軟骨が損傷し、そこから修復を繰り返し徐々に変形し太くなります。
    精神的に落ち着く効果がありますが、気になる方はできるだけ鳴らさないほうが賢明でしょう。

    (2)首を鳴らしすぎるのは良くない

    長時間パソコンの画面を見て前かがみの姿勢を取り続けると、首や肩が凝って疲れてきます。
    その際に、首を傾けて鳴らすとスッキリ感があります。

    しかし、勢いをつけて鳴らしたり何度も繰り返すと、首を痛めてしまう可能性があります。
    特に、首の骨(頸椎)の中には脊髄という神経が通っています。
    カイロプラクティックの先生でない限り、勢いよく首を動かし頸椎に衝撃が走ると、脊髄が損傷してしまう可能性があるので注意しましょう。
    首は、ゆっくりと回したり傾けるのが、安全で効果的です。

    (3)膝に痛みを伴う場合

    動くたびに痛みを感じたり、水が溜まるなどの症状があると、変形性膝関節症や膝蓋軟骨軟化症の疑いがあります。
    その場合、軟骨の変形や滑液の減少が考えられるので、医療機関の受診を推奨します。

    そこで痛みが強い場合は、膝にヒアルロン酸を注射する方法がよく用いられています。
    ヒアルロン酸は、滑液の成分と似ているため、補充することで滑液の粘度や弾力性が向上します。
    その結果、膝関節の潤滑が滑らかになり、軟骨に対する衝撃が抑制され痛みが軽減します。

    さらに痛みが軽減したところで、運動療法を実施すると再発予防が期待できます。
    運動療法の方法は人それぞれですが、膝を使い過ぎている場合、膝の負担を減らす必要があります。

    その方法例を、以下に示します。

    • まずは、ストレッチで股関節や足首の筋肉を伸ばし、柔軟性が向上させ脚を動かしやすくさせます。
    • 次に、お尻や太もも裏を鍛えるデッドリフトやスクワットを行い、股関節周りを強化します。
    • 強化した状態で、普段の生活(階段の昇り降りなど)で、膝よりも股関節を強調して動かすことを、体に学習させます。
    • その状態に慣れると、膝にかかる荷重や負担を脚全体に分散させることができ、膝の負担軽減につながります。

    運動療法は、症状によって人それぞれメニューが異なるため、専門家に相談することをおススメします。

    まとめ

    関節が鳴るのは自然なことであり、痛みない場合は体に害はないため、放置しておいて大丈夫です。
    また意図的に鳴らす場合は、癖にならない程度にしましょう。
    痛みがある方や、体に歪みがあると感じて不安な方は、ぜひ専門家に診てもらうことをおススメします。

    ※関節については、以下のブログでも詳しくご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

    肩があがらない – 実は猫背が原因!?
    股関節にもっと注目!
    骨盤は体の基本
    骨盤を整える

    この記事を書いた人

    株式会社ミリオン・フィットネス  
    トレーナー 那須 陸哉

    NSCA-CPT : NSCA認定パーソナルトレーナー
    NASM-PES : 全米スポーツ医学協会認定パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト
    整体トレーナー
    運動特化型デイサービス トレーナー

    代表の林が講師をしていたWorld trainers academyで林に師事し当業界に入った。自宅でも常に自己研鑽に励み、トレーニングや健康に関する学習はもちろんのこと、お客様にお勧めするトレーニングやストレッチは、時間があれば常に自身で試し、お客様の生活の質向上や健康的な生活へ導く準備に余念がない。また、USJでの前職経験があり、お客様に楽しんでいただく精神はトレーナー随一と評判が高い。将来が有望な若手である。

    ミリオン・フィットネスは、吹田 千里山・南千里のリピートが多い 予約貸切制のおしゃれなコンディショニング・パーソナルジムです。

    ダイエット・ボディーメイク・姿勢矯正はもちろんのこと、肩こり・腰痛・膝痛・ストレス・疲れやすい・健診数値などの改善を、トレーニング & リカバリーケア & ニュートリション の3点からサポートいたします。

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